【2017年2月18日】

ダークキングダム 淫虐の姫騎士と強欲の魔王 出だしたっぷり公開

続きまして山口陽先生の作品もぜひ

プロローグ
光が遠ざかっていく。
深く深く沈んでいく。
体に力が入らないというのに、不思議と感覚は研ぎ澄まされていく。
――これは?
理不尽に降り懸かる死と、それから逃れたいという苦痛と恐怖。
数多の死が突き抜けてくる。
逃れられない絶望で満ちている。
――なぜ?
――なぜ自分は生まれた?
飢えに苦しみ、寒さに凍え、権力という概念に支配される。
温かな食事も、愛する者の温もりも知らず、なぜ自分は苦痛に満ちた生を送らなければならなかったのか。
なぜ自分は不条理な死を迎えなければならないのか。
なぜ自分は無力なのか。
ごく一部の欲を満たすためだけに掲げられた欺瞞に塗れた秩序。
そこに安寧し、高みから死を振り撒く人間たちに抗うことさえ許されない。
逃れられない絶対的な現実を前にして、彼は生を呪った。
人は真に絶望に直面した時、心を凍てつかせる。
世界は醜い。
生とは闇だ。
なにも見えず怯えさせ、脅かす。
世界の醜さに嘆きながら、彼は闇へと沈んだ。
そして新たな産声をあげる。
今度こそあるがままに。
内に満ちる絶望に相応しい形に変えて――

「はぁ、はぁ……ぁぁ……くっ」
沈みかけの太陽が分厚い雲に遮られて暗くなった室内にこだまする荒い息遣い。
壁の燭台に載る蝋燭が放つ心許ない明かりに照らし出される美しい少女。
それ自体が輝きを放っているような神々しい銀の髪、そして宝石のような碧眼。
彼女こそ王国の姫君、レナ・ミラーゼ。
姫でありながら武芸才に秀で、姫騎士と謳われるミラーゼ王国の騎士団長。
常勝無敗。自ら先頭に立ち、王国の紋章が刻まれたプレートメイルを纏って戦場を駆ける様は勇ましく、他国には〝戦乙女〟と畏敬の念をこめて称される王国の象徴的存在だった。
しかし勝利の女神と煽てられ、讃えられていたのはもはや過去のこと。
煌びやかな銀髪は埃をかぶり、美しく凜々しい顔立ちは憎悪に歪んでいた。
誇りある紋章を刻まれた重厚なプレートメイルは無様にひしゃげて鉄屑と化して床に転がっており、辛うじて胴回りは残っているものの、守るものを失ったことでたわわに実った豊満な乳房が剥き出しになっていた。
極めつけは手足を束縛されて宙吊りにされており、羞恥に身を焦がしながらも胸を隠すどころか身動きすらままならない。
「こ、こんなものに……んっ、ぅ……私は屈しない……っ」
今のレナは、目の前の怨敵を睨みつけることで精いっぱいだった。
「……そうか」
この状況を作り出しておきながら抑揚のない声で呟いたそれは、深い闇のように黒い牧師風の装束を身に纏った男だった。
だが決して人間ではない。
人間の姿をしたなにかだった。
鮮血を浴びたような真紅の長い髪を揺らし、凍てついた瞳は数多の戦場を駆けてきたレナをも萎縮させるほどに鋭く暗い。
それは人間のみならず、この世界の生者すべての敵だと本能で理解させられた。
約一カ月前、それは突如として現れ、人を、町を、国を瞬く間に大陸から消していった。
その正体も目的は不明だが、いずれこのミラーゼ王国に現れるのはわかっていた。
滅亡は回避するため、これまでも識者を集めて対抗手段について熟考を重ねてきた。
城塞の整備から兵の鍛錬。撃滅することを最優先に、地方に散った国境沿いの警備兵さえ招集して備えていたのだが、結果はごらんの有様だった。
王国の総戦力を結集しても一日と凌げなかったうえに、一太刀浴びせることすら敵わなかった。
あれは戦いなどではなく、一方的な虐殺だった。
これまでいくつもの国が滅んだ理由を、いやというほどに思い知らされた。
目の前にいるのは、人知の理解を超えた超常的な存在。
まるで天災。抗うという考え自体がおこがましく思えるほどの圧倒的な暴力。
彼の出現した国では、生き残りは一人として発見されていない。
ミラーゼ王国も同様の道を辿ることになると、誰もが覚悟した。
ところが、レナは殺されなかった。
レナだけでなく、部下の騎士団員や民衆に相応の数が生き残っているらしい。
殺せなかったのではなく、あえて殺さなかったのだ。
これまでの彼の行動にはなかったことだ。
「目的はなんなの……?」
レナはしきりに身じろぎするが、束縛はまるで緩む気配はなく、晒されている巨乳が大きく揺れる。
「虜囚は辱めるのが人間のルールなのだろう?」
「な――っ!?」
思いがけない答えに、レナは柳眉を逆立てる。
「退屈だったからな。払えば潰れるような羽虫を殺してもまるで張り合いがない。だから壊し方を変えてみることにしただけのことだ」
「ふざけないで! 今までどれだけの命を奪ったと思ってるの!? 退屈だから? 張り合いがない? よくもそんなくだらない理由で王国まで――っ!!」
「それが俺の存在理由だ。そのために俺は生まれた」
まくし立てるレナを意にも介さず淡々と答える。
「殺すことが、存在理由? ふざけないでっ!」
「どう思うかはお前の勝手だ。そんなことより、興奮しているのだろう? 少しずつ声が高ぶってきているぞ?」
「な、なにをっ!? こんな非道な仕打ちに……誰が!」
レナは唇を噛みしめて必死に否定するが、声色は徐々に上擦り、体も火照って赤く色付いていた。
剥き出しの乳首も充血して屹立している。
「媚薬の量が少なかったか?」
半裸のレナは、拘束された際に全身へ媚薬を浴びせかけられていた。
体温が上昇し、敏感な場所は外気に触れているだけで痺れが生じ、正面を睨みつけながらも、肉感溢れる体を無意識に捩っていた。
憤るあまり一時的に我を忘れていたが、指摘されたことで否応なく意識させられてしまった。
「無駄よ……! これ以上辱められるくらいなら、死んだほうがマシだわ!」
騎士としてのプライドを踏みにじられるくらいなら潔く死を選びたいが、まるで彼には届かない。
「そこまで言うのならもう一度試してみるか。壊す方法は必ずしも痛みである必要はないのだろう?」
聞く耳を持たず、液体がなみなみと注がれた容器を手にすると、その中身を容赦なくぶちまけた。
「やめっ――きゃぁあああっ!!」
強制的に敏感にさせられた体に再度媚薬を浴びせられ、レナは身を強張らせる。
「量は十分だと思うが……遠慮せず乱れて構わんぞ」
「ふぅ、ふぅ……だ、誰が興奮なんてっ……!」
「これでも足りないか?」
顔を紅潮させ、呼吸の乱れも顕著になっているにもかかわらず、強情を張るレナだが、その反応にわざとらしく首を傾げてみせると、瞳がわずかに恐怖に揺れた。
「ま、またかけるつもり!?」
「いや」
「だったら、今度こそ乱暴する気なのね!?」
「慌てるな。痛みはないはずだ」
なにを言われても不安しかない。
彼は握った拳をレナの眼前で開いて見せてやる。
「ひっ……!?」
あまりのおぞましさに顔を引き攣らせた。
手の平には丸々と肥えたナメクジが数匹蠢いており、レナは目を見開いて嫌悪感のあまり全身を粟立たせた。
「なっ、なぁ……なにそれ!? いったいそれをどうするつもりなのよっ!!」
いつの間に仕込んで隠し持っていたのかという疑問を口にする余裕もなく、衝動的に喚き散らす。
「もうわかっているんだろう?」
あえて質問で返すと、無情にも手に収まっていたナメクジをレナの乳房へ放った。
「ひぃいいっ!? いやっ、いやぁあ! こんなに胸にっ! 取って、取ってぇえ! き、汚い! 気持ち悪いのぉ!」
「ふむ、敵に懇願するほどか」
「そ、それは――あひぃ! む、胸にっ……ナメクジが這って! ヌメヌメって動いてるぅ……くっ、うぅ……!」
「本気でいやがっているのか? 声に艶が出ているぞ?」
「違う! 違うっ! こんなのでっ……んぅ、ぅ、感じたりなんかぁ……!」
ナメクジに喚くレナだが、媚薬の効果を無視できない。
まだ恐怖心は拭えないが、着実に性感を自覚しつつあった。
その証拠に、怯えた表情を浮かべながらも乳首は真っ赤に充血していた。
すると、まるで見計らったようにそこへナメクジが這い、ぬめりながら伸縮する軟体で硬くなった突起を撫でていく。
「やあぁ……ウネウネ動かないでぇ! んひっ!? ダメ、そこはぁ! んぅ、乳首っ、そこ触らないでぇ!!」
レナがどれだけ叫んだところで、知性のない軟体生物に通じるはずもない。
粘液に塗れた全身で突起の根元から覆い、舐めるように這っていく。
敏感な器官をなぞるように擦っていくナメクジの動きに、無力な姫騎士は肢体を淫靡にくねらせる。
「いやがっているわりには声が艶やかじゃないか? なんだかんだ言っても感じているのだろう? まったく、無理に取り繕ったところで恥の上塗りだと思うが?」
「ふぁ、ぁあっ……そ、そんなことはっ……ないぃ、ぃんんっ!」
隆起しきった乳首に痺れが走り、レナはビクンッと背中を反らせて艶声を漏らした。
「まったく言動が一致していないな。まったく、これが変態というやつか」
「だ、だから違っ……ぅんっ! 勝手なことをぉ……ぁ、あぁあっ!」
「別に隠す必要もないと思うがな」
「はぁ、あっ、違う……違うぅ! 私は変態じゃ……変態なんかじゃ……ぁあっ!」
全身を小刻みに震わせて乳首の快感に身悶える。
時間経過と共に浸透していく媚薬によって強制的に感度が増すと、柔肌を撫でるように蠢かれるだけで、乳首に生じる衝撃は強まり、無意識に淫らな喘ぎ声がこぼれる。
「変態じゃ、ないぃ……! ぁ、私っ……こんなナメクジに、感じる変態じゃ……はぁん、乳首ダメぇえっ!」
「いい声だ。順調に馴染んでいるな」
「ふひっ、んんんっ! 本当に違っ……わ、私は本当におぞましいとぉ……ぉん!」
頭を振って刺激から逃れようと試みるが、どうしても声の抑えが利かない。
むしろ、激しく脈打つ鼓動と乱れる息遣いが余計に耳につく。
辱められているはずなのに彼の言葉を否定できない。
レナにはもう歯を食いしばって耐える以外の選択肢が思い浮かばなくなっていた。
「これだけ喘いでもまだナメクジが怖いのか?」
「くぅ、んんっ……! 違う、違うぅ……私は変態なんかじゃ……ぁ、乳首を捏ねられたって気持ち悪いだけよぉ! わ、私は感じてないっ……感じてなんかぁ!」
強制的に昂ぶった肉体に刷りこまれていく性感に耐えることに必死で、レナは徐々に言葉を交わす余裕すらなくなっていた。
迫ってくる快楽の衝動に声を荒げて悶絶する。
肉体に生じる反応を意志の力だけで抑えるにも限界がある。
嫌悪感を露わにしても、同時に極限まで追い立てられた快楽が迫り上がってくる。
火照る体から珠の汗が浮き、漂う体臭が強くなる。
「あぁ、なんでっ……はぁ、あっ、これ乳首ばっかりぃ! 気持ちよくなんかっ……感じてなんかぁ! いやぁあっ、こんなの変っ、変になるぅ!!」
執拗に乳頭を這うナメクジを払い除ける手段もなく、されるがままに身をよじらせてレナがよがる。
きつく目を瞑って刺激に耐えているが、過敏になった乳首から波紋のように広がる性感は足の先まで伝わってくる。
拒絶したくても後から後から甘美な波が押し寄せ、体温の上昇にともなって頭もぼんやりとして思考までおぼつかなくなってきた。
「あれだけ喚いていたのが嘘みたいだな。王国の姫君がナメクジに責められてよがり狂うとは……」
誰のせいだと、これは媚薬のせいだと叫びたかった。
しかしそれは、醜悪な軟体生物に弄ばれて悦んでいると自ら認ることになる。
原因がどうであれ、一度口に出してしまえばそれこそ彼の思う壺だ。
震える唇を噤んで喉元まで上がってきた言葉を呑みこんだものの、乳房に吸いついている異物は、卑猥にしこりきった乳首を容赦なく扱いてレナのなけなしの理性を打ち砕きにかかる。
「くひぃいっ!? ダメ、それダメぇえっ!! やだやだや――ひぅうんんんっ!!」
すんでのところを辛うじて持ち堪えていたというのに、さらなる刺激に耐えかねて溢れ出した衝動に、レナは全身を硬直させて喉が裂けんばかりに絶叫する。
硬く膨れ上がった乳首が弾けてしまうような錯覚さえ覚えた。
息が詰まり、視界に閃光が走った。
(嘘っ!? 私……私が、こんなおぞましいもので……っ)
ありえないと自分に言い聞かせるが、到底誤魔化しきれるものではなかった。
「見事にイッたな。ナメクジにイカされるとは大した変態だ。ククッ、なるほど。これなら少なくとも退屈はしないかもな」
突きつけられた現実にレナは愕然とし、これまで積み上げてきた騎士としてのプライドが音を立てて崩れていく。
「殺してやる……必ず、殺してやる。お前を――」
震える唇で、呻くように吐き出す。
守るべき国を滅ぼされ、女としても騎士としても尊厳を踏みにじられた。
もはや残っているのは怨敵への怒りのみ。
人間の身で殺せる存在ではないと思い知らされはしたが、せめて一太刀――奴の身に刻みつけなければ死んでも死にきれない。
「グリードだ。期待しているぞ。多少は反抗してくれないと壊し甲斐がないからな」
無様な絶頂を迎えたレナを罵りながら、それはニヤリとほくそ笑んだ。

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