【2017年11月29日】

元勇者はロリエルフ村をハーレムにデキました出だし

第1話 元勇者と少女たち ロリエルフのW手コキとWフェラ


カイトは困っていた。
目の前で、二人のエルフが気絶している。
どちらもとても小柄な、子供のような体型である。
実際に子供というわけではなく、そういう身体にしか育たない種族らしい。
そんなロリエルフを。

襲いたくて襲いたくてたまらないのだった。

――と、言うと、まるでカイトが鬼畜で変態でロリコンの最低最悪男のようであるが、そうではない。
これには事情があるのだった。
まずは、それを説明しなければならないだろう。


カイトは世界を救った勇者である。
人間族、エルフ族、ドワーフ族など、あらゆる種族を滅ぼして大陸を魔族のものにしようとしていた魔王を倒し、この世界を平和に導いた。
それがつい、二年ほど前のことだ。

しかし、それを遡ること三百年ほど前。
カイトは『転生』してこの世界に誕生したのだった。
それ以前は、彼は地球という星の、日本という国の、東京という街で、社畜という種族として生きていた。
彼が所属していたのがなんという会社か、どんな業務を行なっていたのかはどうでもいいだろう。
最後の一年などは、そんなこと自分でもわからなくなるくらいに、とにかくめちゃくちゃ忙しかった。
『この働き方、ちょっとヤバくね?』などと思う物理的時間も精神的余裕もないままに、働きまくっていた。
そんなある日。
会社の玄関前で、彼は寝不足でふらつき倒れてしまった。
その拍子に、横に置いてあった脚立が倒れた。倒れた脚立が、その横にあった清掃用ゴンドラにぶつかった。清掃用ゴンドラは大きく揺れ、戻ってきて、玄関横に植えられていた木にぶつかった。根っこが弱っていたらしい木は簡単に折れて、彼の頭に直撃。
そして彼は死んでしまった。
死ぬ直前、子供の頃に見た知育番組の音楽が流れた。
冗談みたいな死に方である。
しかし――この日でなかったとしても、遅かれ早かれ、違った形で彼は死んでいただろう。

そして、気づくと、彼は異世界に転生していた。
エルフやドワーフなどの異種族が、人間とともに暮らす剣と魔法の世界。
その、ある貴族の息子として、彼は生まれたのだ。
今度こそ、と彼は思った。
前世のようなバカな生き方はしない。幸い自分が生まれた家は土地も財産も持っていて、あくせく働かなくても生活できる。
テキトーに働いて、テキトーに生きる。毎日本を読んだり、庭いじりをしたり、狩りをしたりして、だらだらと生きる。
彼にもわかっていたのだ。
前世での自分の本当の死因は事故ではなく『過労』なのだと。
今回は、同じ轍は踏まない。
そう思った――のだが。

その貴族は、勇者の家系だった。
先祖の一人がエルフと結婚したことがあり、長命の血と魔法使いの血を受け継いでいた。
そして、大予言者でもあったそのエルフの予言によれば、魔王が復活するとき、その一族の若者が、勇者として立ち上がり、世界の平和を取り戻すことになるのであった。
つまり、彼がその勇者だった。
魔王は、彼が誕生したまさにその年に復活し、三百年後にその力のすべてを取り戻すという。
彼はその間に、長命を生かして、普通の人間では身につけられないいくつもの強力な魔法を習得し、魔王を倒さなければならないのだった。
そのことを知ったとき、彼は逃げ出そうと思った。
つらい社畜生活から逃れられたのに、今度はつらい修行生活に、おまけに魔王退治なんて冗談じゃない、と。
しかし――もし彼が勇者にならなければ、人類は魔族に滅ぼされるのだ。
それまでの三百年を楽して生きるか、それとも三百年頑張った後、残りの七百年(長命の勇者の寿命は千年くらいらしい)を楽して生きるか……。
迷った末、彼は後者を選んだ。

それからの特訓の日々、冒険の日々、仲間との出会いや別れ、魔王との壮絶な戦い――については省略しよう。
彼が前世で学生の頃に読んでいた超人気ライトノベルシリーズ二〇巻に相当するような壮大な物語があるのだが、それは本題ではない。

とにかく、なんやかんやあって、彼は魔王を倒した。
世界には平和が訪れた。
彼は、今度こそテキトーにだらだらと生きる――スローライフを送ることを決意する。
なのに、である。
彼が住む貴族の屋敷には、毎日のように客がやってくる。
揉め事を解決してほしい村人、積荷の護衛を行なってほしい商人、戦争に参加してほしい軍人、魔王を倒されて勇者を恨んでいる魔族、力試しをしたい冒険者……などなど。
魔王がいなくなっても、世界から争いはなくならず、勇者の評判もまた広まり続けているのだった。

そんな日々が嫌になって、ある日彼は『失踪』した。
周りに迷惑はかけないよう後始末はした。土地や財産は親戚や使用人たちに譲り、自分がいなくなっても困らないようにしてきた。そうしないと、捜索されるかもしれないからだ。逃亡生活をしたいわけではないのである。
そして、名前も変え――カイトというのは前世での名前である――彼は放浪生活を始めた。

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