【2021年7月16日】

 恋する奴隷エルフちゃんは絶対に解放されたくない第一章公開

プロローグ 恋する奴隷エルフちゃんは絶対に解放されたくない
「白狼が、白狼騎士団が、帰ってきたぞ!」
「英雄たちの凱旋だ!」
 人々の熱狂的な出迎えの中、ひとつの隊列が、ディアゾールの街の門をくぐった
 数は三十名ほど。いかつい鎧を着て、剣を手にした戦士たちがほとんどだが、中には立派なカイゼル髭に巨大な斧をかついだドワーフ、冒険者風の格好で小柄な体のグラスランナーも。後方の馬車には、巨大なモンスターの頭蓋骨がいくつも載せられている。
 白狼騎士団。別名「ディアゾールの守り手」。
 この数十年ほど、「帝国」西方領のディアゾール州は、原因不明のモンスターの大量発生で市民の平和が脅かされていた。このため、「帝国」は冒険者や傭兵たちで騎士団を編成、モンスター討伐や村落の防衛に充てた。
 白狼騎士団は、そうした騎士団の中でも有数の実力を誇っていた。
 そしてこのディアゾールの街は白狼騎士団の拠点だった。騎士団の活躍は市民の安全にがるため、彼らの帰還はいつも歓声で迎えられる。
「おっ、先頭はいつもの通りガレイ様だ!」
「ガレイ様! ガレイ様!」
「騎士団長様、こっち向いてー!」
 人々の視線と声は、先頭を進む、ひとりの少年に向けられている。
 ガレイ・ハーフナー。
 今年十八歳になる、白狼騎士団のリーダーだ。
 耳のあたりまで伸ばした黒髪と大人びた顔つき、華奢な体つきが特徴の少年剣士。背中の鞘には、その体躯に不釣り合いな巨大な剣が収められている。
 クールな見た目だが、実際には、大変に物腰の低い、朗らかな人物とのことだった。
 その実力は高く、すでに百体以上のモンスターを屠っているという。
 ガレイは優しい微笑みを浮かべながら、群衆に手を振っている。
「……で、あのエルフも一緒にご帰還、か」
「あの格好で騎士団最強の魔導士なんて、信じられないよなぁ……」
 ガレイのすぐ隣には、ひとりの女性が付き従っていた。
 長い金髪と女神と見まがわんほどの美しい顔立ち。豪華な装飾が施された、露出が極めて激しい装束。それを身に纏う、バストとヒップのメリハリが利いたスレンダーでいて豊満な肉体。右手には青い水晶がはめ込まれた木製の杖。
 そして、長くて耳と、首元の黒い首輪。首輪の鎖はガレイの手に握られている。
 シモーヌ・エルフィーナ。
 彼女はエルフであり、また、ガレイの所有する奴隷でもある。
 帝国において、シモーヌのようなエルフ、つまりは長い耳を持ち、長命で、しかも魔法が使えて美男美女が多いという種族は、あまり好意的に見られる存在ではない。
 かつての戦争で「帝国」とエルフが激しく争った際、一部のエルフたちが禁呪を用い、「帝国」に幾多の天変地異を引き起こし、多数の市民を殺傷したことが原因だった。
 最終的にエルフは「帝国」に負け、その支配下に下ったものの、それ以降、エルフたちは帝国にとって差別の対象となり、奴隷として扱われるのが常となった。人間と同等の権利を得ているのは、奴隷から解放された、ごく一部のエルフだけだ。
 シモーヌはそんなエルフの奴隷、しかも、禁呪を使用したエルフの家系に連なる姫君で、シモーヌ自身、強力な魔法の使い手であるという。
 なぜ、そんな恐るべきエルフが、白狼騎士団にいるのかはよくわからない。
 ただ、白狼騎士団の活躍は、シモーヌの存在があってこそ、と言われている。
 そのためか、シモーヌの態度は凜としていて、奴隷らしさが感じられない。
「あ、危ない、ガレイ様!」
 突然、群衆の声……どこからか矢が放たれ、ガレイの首に突き進んだ。
 ガレイは騎士団長として名声を得ている一方、彼の命を狙う輩も多い。その多くが、騎士団の活躍によって稼ぎを失った他の騎士たちと言われている。
 しかし、次の瞬間……。
「……ドルーニエ・プファイール!」
 鋭くも甘い女性の声。直後、ガレイの眼前に魔法の障壁が出現し、矢を跳ね返した。
 魔法を使用したのは、他でもないシモーヌだった。右手の杖を振り上げている。
 シモーヌは、矢が放たれた方向に杖を向け、新たな呪文を放った。
「メッサー・シュヴァルーベ!」
「ぎゃああああ!」
 途端、頭巾をかぶった男が空中へと浮き上がり、締め上げられるように苦しみだした。シモーヌは男を騎士団の剣士たちの隊列に下ろした。男は瞬く間に捕らえられた。
 誰もが絶句する中、騎士団の隊列から、呆れたような声が響き渡る。
「まったく……これだから凱旋なんてものは嫌いなのよ」
 シモーヌがため息をつきながら、疲れたようにガレイに語りかける。
「ガレイ、あなたはもう少し、自分が命を狙われていることを自覚すべきよ。こんなんじゃ、いつまでたってもあなたのお守をやめられないじゃない」
 ガレイも息を呑んだが、ややあって、バツが悪そうに微笑む。
「いつも悪いね、シモーヌ。僕が不甲斐ないばかりに。けど、これは僕たちを応援してくれている人々へのお礼でもあるんだ。我慢してくれないか」
「ふん。気に入らないけど、一応、あなたは私の主人だから、従ってあげるわ」
 不服そうに顔をそむけるシモーヌ。ガレイは申し訳なさそうに微笑むだけだ。
 騎士団の行進が再開される。
 人々はぎこちなく騎士団への声援を再開する。小声でこんなことを囁きながら。
「ホント、ガレイ様とあのエルフ、どっちが主人で、どっちが奴隷かわからねぇな……」
「ホントね……」

 その晩、ディアゾールの街はお祭り騒ぎだった。人々は騎士団の勝利を祝い、剣士たちと路上や酒場で飲んで歌って騒いでいる。騎士団が帰還した夜はいつもこうだ。
 だが、その喧噪の中に、ガレイとシモーヌの姿はない。
「……ここが、そうなの?」
 シモーヌは、自分に背中を向けるガレイに尋ねた。
 ディアゾールの街の西の端。貧民街にほど近い、あまり柄がよくない店が集う区画だ、路上では、何名かの売春婦と思しき女性たちが客引きをしている。
 ふたりがいるのは、そんな場所の片隅にある、とある怪しげな店の入り口。
 ガレイは頷いた。
「ああ。間違いない、確認済みだよ」
「まさか、こんな場所に、禁忌を犯している連中がいるなんてね……」
 しげしげと店の入り口を見つめるシモーヌ。
「正直、信じられないわ。これまで、アレのおかげでどれだけの人が命を落としたのか……それを、手なずけようにしているなんて。正気の沙汰じゃないわ」
「まさか、怖気づいたのか?」
「それこそまさかよ。私に恐れるべきものなど何もないわ。何が出てこようとも、確実に殲滅してみせる。今回のミッションも、本当はこの店が標的だったんでしょう?」
「それでこそ最強のエルフ魔導士だ。じゃあ、行こうか」
 ガレイは扉を開けた。シモーヌも後に続き、そして……。

「こ、これが……っ!」
「あっ、これ、たまらない……ッ!」
「この、コリコリした感触が……ッ!」
「いや、言わないで……っ! もっともっと、欲しくなる……!」
「俺もだ……っ! これが、これが……!」

「「ディアゾール河豚の刺身……!!!!」」

 向かって机に座るガレイとシモーヌは、耐えきれないように突っ伏し、机をバンバンと叩いた。
 それくらいの未知の美味しさ。それくらいの未知の食感。それくらいの幸せ。
 たまらなく、幸せ……!
「美味い……! 美味すぎる……! これが河豚……! 帝都だと、河豚食そのものがタブーだもんな……! 普通の人間が捌くと毒で一発だもんな……!」
「当たり前よ、河豚よ!? 普通なら正気じゃないわ! けど、ここは……!」
「そう! ここは『帝国』でも数少ない、河豚を安全に捌いて生で食わせてくれる店なんだ……! レア中のレア……! 喩えるならば、ディアゴ山脈の白龍! 会敵確率〇.〇一パーセント……!」
「モンスターハントマニアにしか通じない喩えしているんじゃないわよ! けど、ああっ、ホントこの旨味が……! コリコリとした食感が……!」
「美味いよなぁ……! 幸せだよなぁ……!」
 左手で机をバシバシ叩き、両足で床をダンダンと蹴りながら、残った右手で持った箸で河豚の刺身をみ、謎の黒い液体(店員は『ショーユ』と口にしていた)に河豚をつけつつ口に放り込んでいくふたり。箸が、いや、全身の歓喜が止まらない。
 ……ふたりが入ったのは、『帝国』西方領でも数少ない、客に生魚を食べさせる店として、ごくごく一部にしか知られていない鮮魚酒場「マサ」。
 ガレイとシモーヌは、この店で出されている幻の料理「ディアゾール河豚の刺身」を食べるために、他の騎士たちと別行動を取り、ここに来たのだ。
 そう、ふたりはいわゆる「食べることが好きで好きでたまらない」人間とエルフ。食道楽なのだ。
 だから、こうして戦いから帰還した後は仲間たちとは離れ、美味しいと評判だったり、珍しい食材や調理法を使っていると聞いた店に乗り込む。
 ……「マサ」の河豚料理は、刺身以外も絶品だった。河豚の唐揚げは外はカリっと中はふんわりジューシーという王道ぶり。河豚の白子は生で食べても焼いて食べても美味しさ満点。シメに出てきた河豚鍋は河豚の練り物と季節の野菜を果汁の発酵品でさっぱりと楽しめて気分はもう天国。デザートの牛乳のプリンも素朴ながら美味しい。
 気がつけばガレイとシモーヌは出てきた料理すべてを食らいつくしていた。
「いやぁ、美味しかった……! ありがとうシモーヌ、今日も付き合ってくれて」
 最後に出された冷たい水を飲みながら、ガレイは幸せそうに言った。
「僕ひとりでは、これだけの量は食べきれない。こういう特別なコース料理は、二名からというのが相場だからね。君みたいな人が傍にいてくれると、本当に助かる」
「構わないわ。道楽だもの。それに、私も美味しいものを食べるのは嫌いではないし」
「人間は嫌いなんだろう? なんたって、君の国を滅ぼしたんだ。僕としては、君に恨まれても仕方がないと思っているが……」
「嫌いよ。あなたを含めて。けど料理には罪はないわ。だから、私はあなたを利用して、美味しいものをいただいているだけ」
「でも、悪いとは思っているよ。前騎士団長の親父から君の主人の役を受け継いだだけとはいえ、僕は君を戦場で酷使している。父との契約が君を縛りつけている」
「それはその通りね。私が奴隷の身分に甘んじているのは、あくまで『帝国』に対する敗北の代価として契約があるから。契約が終われば、すぐにでも出ていってやるわ」
「それでこそ僕らのシモーヌだ。今日も僕を助けてくれたし、本当に恩に着るよ。おっと、ちょっとお手洗いに行ってくる」
「ごゆっくり」
 ガレイが厠に続く通路に姿を消すと、シモーヌは誰も自分を見ていないのを確認すると、「シャッ!」と小声で呟きながらガッツポーズを右手で決めた。
(今日も美味しいものがたっぷり食べられた……最高よね、こういうの……!)
 何度も何度もガッツポーズを決める。そのたびに満足感が全身を駆け巡る。
(それに、今日もガレイの笑顔を見れた……これも最高……! 私、幸せ……!)
 緩む唇。自然にが朱に染まる。その表情は、恋する乙女そのものだ。
 そう、シモーヌはガレイに恋をしていた。シモーヌ自身もそれを自覚している。
 ガレイのことを想うと胸が苦しくなるし、とても愛おしい気持ちになる。
 きっと、こうして美味しいものを一緒に食べたり、モンスターと戦って騎士団を盛り立てていく日々の積み重ねが、ガレイを愛するようになった原因だろう。
 何よりガレイと一緒にいるのは楽しいし、自分もガレイも笑顔になれる。それがたまらなく嬉しい。
 もちろん、自分は奴隷でありエルフであり、それを口にするつもりはない。元姫君というプライドもそれを許さない。あくまで戦争に敗北したがゆえに、仕方がなく、いやいやに騎士団に付き従っているという体を崩したくない。
 だから、こうやって誰も見ていない瞬間に、自分の感情を確かめている。
(本当、今の生活って最高よね……。ガレイのおかげで美味しいものを食べられるし、ガレイの傍にもいられるし……! 騎士団の仕事のモンスター討伐も、私の魔法にかかれば楽勝だし、その稼いだお金で、また美味しいものが食べられるわけだし)
 実際、白狼騎士団のモンスター討伐において、シモーヌはなくてはならない存在だった。
 攻撃魔法や補助魔法、回復魔法など、ありとあらゆる魔法を使えるシモーヌは、剣や槍といった打撃に戦力が偏りがちな騎士団にとって、真の切り札となっている。
(奴隷といっても、奴隷であるがゆえの制約はこの騎士団ではなきに等しいし、奴隷だからって酷使されたり変なことをされたりするわけじゃないし。それに騎士団にいる限り、衣食住の心配はないし、料理とか洗濯とか掃除とかの必要もないし……!)
 生まれはエルフの貴族、加えて奴隷になった直後からモンスターとの戦いに明け暮れていたため、シモーヌは日常生活で必要な能力をほとんど身に着けていなかった。
 この白狼騎士団でも、そういうのは拠点としている街の宿屋に丸投げだ。生活に必要な家事も、シモーヌの疲労を抑えるために、皆が率先してやってくれている。
 実は騎士団からはきちんと給料が出ていて、それについての会計処理や「帝国」への税の申告も必要なのだが、そうした作業はすべて主人であるガレイが済ましている。ガレイからは毎月かなりの額のお小遣いをもらっているから、気にする必要もない。
 それを考えると、今の生活は天国に近かった。
(今の私、本当に幸せ! 奴隷最高! ずっとこんな日々が続いてほしい……!)
 ややあって、ガレイが厠から戻ってきて、何やら世間話を始めた。
 シモーヌはそれに適当に相槌を打ちながら、なおも自らの幸運をかみしめていた。
 ……ガレイの口から、次の台詞が発せられるまでは。
「……で、そろそろシモーヌを奴隷から解放する手続きに入ろうと思うんだ」
 瞬間、シモーヌの思考は停止した。
「えっ」
「えっ」
「えぇ……?」
「……そ、それ、どういうこと……?」
「いや、そのままのことなんだけど。例の契約、あと少しで終わりそうだし」
「……は?」
「君と僕の実家のハーフナー家との契約では、君がある一定額以上の金を稼げば、君は自由になるとされている。君は白狼騎士団で戦うことで賃金を稼ぎ続け、あと少しでその条件を満たすまでに至ったということだ。君には毎月、給与明細を渡していたから、自分の稼ぎはわかっているはずだけど……あ、これ、その契約の証書」
 ガレイはボロボロになった紙の証書を机の上に広げた。確かにそこには、シモーヌが奴隷として稼ぐべき金額が書かれている。
 絶句するシモーヌ。自分がどれだけ稼いだかなど、これまで考えたこともなかった。給与の計算もしていない。毎月の明細など、もらう先からゴミ箱行きだ。
「じゃ、じゃあ、あと、どれくらい戦えば、私は満額に達するの……?」
「今後のミッションの都合によるけど、だいたいあと半年くらいじゃないかな」
 頭をハンマーで殴られたような衝撃。契約の内容など、もちろん頭に入っていない。
 あと半年……? 
 この幸せな生活が半年……? 半年したら、この騎士団を追い出される……?
 全身から血の気が引き、冷汗が噴出してくる。
 しかし、シモーヌはいつもの癖で、いつも通りのそぶりを見せてしまう。
「……そ、そう! それはいいことね! この騎士団とオサラバできるってのは、悪い話じゃないわ! 人間のために働くなんて、もうコリゴリよ。ええ!」
「ああ。ようやく自由人になれるというわけだ。おめでとう、シモーヌ。エルフの自由人は本当に珍しいから、僕としても鼻が高いよ」
 ガレイの無垢な微笑み。本音を口にしているに違いない。
「そ、そうね……! その時が来るのが今から楽しみだわ! け、けど、ガレイがどうしてもって言うなら、このまま騎士団にいてあげても……」
「そんなこと、僕らが望むことは許されないよ。君はこれから自由人として、自由に生きるべきなんだ。君を僕にくれた親父も、それを望んでいたしね」
「いや、その、自由に生きる範疇として……!」
「騎士団も君の魔法に過度に依存してしまっていて、これは決してよい状態ではない。僕たちは君なしでもやっていける、本当に強い騎士団にならなければいけない」
「確かにそれはそうだけど! えっ、えっ、えええええええっ……!?」
「シモーヌ、この数十年間、僕や親父の騎士団に尽くしてくれて本当に感謝している」
 突然、ガレイはシモーヌの右手を両手で握った。
 普段ならご褒美なシチュエーションだが、今のシモーヌには死刑宣告に等しい。
「君と一緒に美味しいものを食べられなくなるのは残念だけど、君にとって騎士団で戦うことがどれほどの苦痛かはわかっているつもりだ」
 そうしてガレイは、真摯な瞳でシモーヌを見つめ……トドメの言葉を口にした。
「君は騎士団を出て、なんの縛りもない世界に羽ばたいていくんだ。もう、君は奴隷エルフなんかじゃない。ただのひとりの、自由なエルフだ……!」

 その夜、シモーヌは宿の個室のベッドに突っ伏し、頭を抱えていた。
 正直、現状が理解できない。
 ……と言いたいが、実際は充分以上に理解している。
「……そんなこと言われても、困るわよぉ……!」
 本当は「そんなこと」の前に「今さら」と付け足したかったが、契約の内容を忘れ、給与計算まで放棄していた自分が「今さら」などとは口が裂けても言えない。
 しかも、ガレイは混じりっ気なしの善意でそれを口にしているのだ。
 ガレイの優しさは嬉しいが、その優しさが、自分を奈落に突き落とそうとしている。
「私、ひとりで生きたことなんて一度もない……! そんなこと今さらできない……! そもそも、ガレイと離れ離れになるなんて、絶対に嫌……!」
 モンスターを倒して皆に褒められ頼られ、大好きなガレイに大事にされて、時々美味しいものを食べさせてもらって、生活の一切を誰かがこなしてくれて……。
 そんな生活が今、音を立てて崩れようとしている。
「ひとりで生きていくって、すべてを自分の責任でこなすってことでしょ? 自分で仕事を選んで、自分で食べるものを決めて……考えただけでも虫唾が走るわ!」
 ……普通の大人はそれができて当たり前なのだが、騎士団での安穏な生活に慣れきったシモーヌには死よりも恐ろしい未来に思えている。
「自分の意思で働きたくないわ、絶対に働きたくないわ! 奴隷として頭を使わず生きていきたい! ただ好きな人と一緒に戦って美味しいものを食べていたい! 奴隷以外になんかなりたくない! ……正確には、ガレイの奴隷以外にはなりたくない!」
「帝国」において、自分以外の奴隷エルフたちがどれだけひどい目に遭っているかは理解している。性奴隷として酷使されているエルフも少なくないと聞いている。
 彼女たちの運命を想うと胸が痛まないわけではない。しかし、他人は他人、自分は自分だ。身勝手と罵られようが、今の暮らしだけは手放したくないと思う。
 シモーヌは起き上がった。本音を声にしてぶちまけたことで気持ちが落ち着き、ようやく何かを考えられる頭になっている。
「このまま騎士団で戦い続ければ、契約の額に達してしまうことは確実……けど、だからって戦いを拒絶することはできない。あまりに不自然な流れだし、ガレイの期待も裏切ってしまう。でも、今さら本心を伝えることもできない。何より私のプライドがそれを許さない! だから……」
 自分の要望のすべてを満たす方法を見つけなければならない。きっと何かあるはずだ。自分はまだ、何も失ってはいないのだから。
 そう、女としての純潔でさえ、自分は守り続けている。優しいガレイのおかげで。
「……やっぱり、それしか、差し出せるものはないわよね……」
 シモーヌはベッドから足を下ろして立ち上がると服を脱いで、部屋の隅の姿見鏡の前に立った。
 鏡に、プロポーションにそれなりの自信のある自らの脱いで裸体が映し出される。
 幸い、この身体が何かの役に立ったことは一度もない。しかし、だからこそ追い詰められた今の自分にとって、この身体は、切り札になりえる……。
 シモーヌは、自分自身に約束を交わすかのように、鏡の中の自分に頷いてみせた。
「可能性はただひとつ……。この身体で、ガレイを私なしでは生きられないようにして……契約をうやむやにしてみせる!」

第1話 魔力回復マッサージ――してちょうだい
1 誘惑戦スタート!
「やれやれ、今日の狩りもなかなか骨だったな……」
 ディアゾールの街での凱旋式から数日後。
 白狼騎士団は、そこからふた山ほど離れた、小さな町の宿に身を置いていた。
 通常、騎士団が主任務とするモンスターの討伐は、町から遠く離れた草原や森林、山岳地帯で行われる。そうした場所からディアゾールの街はアクセスがしづらいため、通常は討伐場所の近くの村に宿泊し、ミッションをこなしていく。
 今、騎士団はこの日のミッションを終え、その宿に帰ってきたばかりだった。
 皆、やれやれといった顔で宿のフロントに集っている。激しい戦いがあったのか、泥にまみれて至り、傷の治療跡があったりする剣士が多い。
 シモーヌも例外ではない。服の汚れは少ないもの、顔には疲れの色が濃い。
「みんな、お疲れ様」
 宿のチェックインを終えたガレイが仲間たちに声をかけた。
「今日のミッションでは、本当にみんなに助けられた。僕の指揮のまずさが目立ってしまい、申し訳なく思っている。反省しているよ」
「いやぁ、ガレイのせいじゃねいよ。『帝国』がよこした情報がまずかったんだ」
 剣士のひとりが慰めるようにいった。騎士団の最古参のひとりで、ガレイの、そして騎士団全員の兄貴分として慕われている。
「まさか、洞窟に潜んでいるグリーンドラゴンが、一匹じゃなくて二匹どころか三匹だったなんて! 俺たちでなきゃ確実に全滅していた」
「ありがとう。皆が無事に生還できて、本当によかったよ」
 ガレイは素直に笑った。シモーヌに顔を向ける。
「あと……シモーヌ、今日の戦いで勝てたのは君のおかげでもある。よく、洞窟で僕らを待ち伏せしていたグリーンドラゴンが三匹であることに最初に気づき、その動きを魔法で止めてくれた。感謝している」
「……そうね。本当、今回は危なかったけど、皆の役に立てたのならよかったわ」
 なんでもないように答えるシモーヌ。ただ、やはり顔には疲労が浮かんでいる。
「今後は『帝国』からの情報も、こちらで精査しないといけないわね。そのあたりはガレイの仕事なんだから、しっかりしてほしいわね」
「面目次第もない……。じゃあ、今日はこれまでだ。明日のミッションに備えて、充分に休んでほしい。食事は食堂で各々に。では、おやすみなさい」
 騎士団の面々は自分たちの部屋に散っていく。大半は複数人が泊まる大部屋だが、ガレイやシモーヌのように個室の者もいる。
 ガレイも肩の力を抜いて、自分の部屋に戻ろうとした……その時。
「ガレイ、ちょっと話があるのだけれど」
「シモーヌ? どうしたんだい?」
「話があると言っているの。ちょっと、ここでは話しにくいことなんだけど」
 周囲を警戒するように視線を左右に走らせるシモーヌ。
「……わかった。じゃあ、僕の部屋で……」
「いえ、私の部屋がいいわ。そのほうが私にとって都合がいいから」
「そうかい? じゃあ、そちらで」

「マッサージをしてほしい……!?」
 入ったばかりのシモーヌの部屋で、ガレイは驚きの声をあげた。
 シモーヌはいささか恥ずかしそうに、そして相変わらず疲労の濃い顔で頷いた。
「そ。マッサージ。理由は……わかるわよね?」
「わかるわよねって……やっぱり、それだけ今日の戦いで疲れたってこと?」
「そ。みんなの前では普通を装っていたけど……今日の戦いでは、かなり魔力を使っちゃったみたいでね。身体がいつも以上にしんどいのよ」
「確かにそれなら、マッサージが一番だよね。マッサージは血行をよくするから、それだけぐっすり眠れるし」
「最近読んだ本によると、エルフの魔力も血管を通して循環しているらしいの。だから、血行がよくなれば、魔力の回復も早まるんじゃないかって」
「なるほど……。で、でも、僕が相手でいいのかい? 僕は人間の男、君は奴隷とはいえエルフの女だ。さすがに気後れはする。騎士団には女性が他にいるわけで……」
「私はエルフの気高き姫よ。奴隷になったとしても、人間なんかに触られたくはないわ。あなたにお願いしているのは、形式上とはいえ、あなたが私の主人だからよ。あなたであれば、それは契約の結果として納得はできる。おわかりで?」
「それはわかるけど、僕もマッサージに慣れているわけじゃないよ」
「他に頼めないんだから、仕方がないわよ。ただ、変なふうに身体を押されて痛くなるのはイヤだから、私の身体を充分に観察しながら、ゆっくり、慎重に、優しくお願いするわね。まさしく花を愛でるように」
「了解した。じゃあ、僕は一度、自分の部屋に荷物を置いてくるよ。少し待ってて」
「よろしくね。あ、みんなに誤解されるのも嫌だから、この部屋、防音の魔法をかけさせてもらったわ。マッサージって気持ちよくなるとついつい声をあげてしまうから」
「わかった」
 シモーヌの部屋を出ていった。バタンと扉が閉まる。
 直後、シモーヌは「シャアッ!」と右手でガッツポーズを決めた。
「ふふ……っ! さすが私、ここまでは完ッ全に自然な流れね……! おかげでガレイは私の狙いに気づいていない……。このまま、このままうまくいけば……!」
 ……実のところ、マッサージというのは理由付けにすぎなかった。
 シモーヌの目的は、ガレイにマッサージを施してもらうことで、ガレイに自分の身体を触れさせ、興奮させることだった。そして、それを諫めるためという『体』を作り、自然な流れで自分とのHに導くことだった。
 この流れなら、自分は自分からガレイにHをせがむこともない。自分のガレイへの恋心も悟られることもない。まさに「仕方がなく」、ガレイと身体を重ねられる
 ガレイとはこの数年間一緒に戦ってきているが、彼女がいるという話は聞かないし、誰かとしとねをともにしたという話も聞いたことはない。つまりは童貞。自分が初体験の相手となれば、その快楽の印象は強烈なものになるはずだ。
 そうなればしめたもの。今後も同じようにマッサージに誘い、そのたびにHに雪崩れ込むという流れを繰り返していく。さすれば、ガレイは自分の身体なしでは生きられなくなり、例の契約終了の話もお流れになる……。
「そして、私は晴れてガレイの奴隷であり続け、今後もラクチンで美味しい生活ができるということ……! ああ、本当にさすが私! この流れのために、わざと疲れた顔で宿に帰ってきたのも効いているに違いないわ!」
 拳を固めながら呟くシモーヌ。
「懸念材料としては、私もバージンでこれが初体験になるけど、まぁ、ガレイならなんとかしてくれるでしょう。ガレイは私を乱暴に扱うはずがないし……!」
 コンコンとノックの音。シモーヌははっと我に返る。
「シモーヌ、入るよ?」
「あ、ガレイね! いいわよ、入って」
 浮きたつ気分を抑えながら、シモーヌは答えた。

2 おっぱい揉まれて
 しばらくの後……。
「はぁぁぁ、そこ、そこぉぉぉ……」
「こ、こことか……?」
「あぁっ! そこ、そこ……!」
「…………」
「あああっ! いい、いいわぁ……!」
 モミモミモミモミ……。
 シモーヌはベッドにうつ伏せに寝転がりながら、ガレイのマッサージを受けていた。
 ガレイはマッサージを足先から頭に沿って行うのが主義らしく、今は足の裏や指先を終えてふくろはぎや太ももの部分だ。ガレイはシモーヌのオーダーを律儀に守り、ゆっくりと優しくマッサージを行っているため、進行は遅い。
「ああ~、すごい、ホントいい……さすがガレイね……剣だけじゃなく、マッサージも凄腕なんて……」
「そんな……父が仲間たちにやっていたのを、見様見真似で覚えただけだよ。でも、楽になってきているようでよかった」
「それは間違いないわね……あ、もうちょっと右、あ、そこそこ、そこね~」
 一心不乱にシモーヌの身体を揉み続けるガレイ。表情は真剣そのもの。本気でシモーヌを気遣っている証拠だ。シモーヌの反応をしっかりと見据え、どこの筋肉が凝り固まっているかを見定めようとしている。
 おかげで、シモーヌはひとつの快楽の極地にあった。
 ガレイのマッサージがあまりに気持ちがよく、揉まれるごとに悩ましい声をあげる。
(ああぁ……私、幸せ。ガレイにこんなふうに大切に扱ってもらえるなんて……)
 とろんとした気分の中、シモーヌは満足げに息を吐き出す。
(本当にガレイ、マッサージが上手……。揉み方も完璧だし、両手もあったかくて大きいし……。本来の目的を忘れそうになるくらい……)
 もちろん、シモーヌはずっとそれを意識している。今だって、揉まれるごとにお尻を揺らしたり、Hな喘ぎ声を出して、さりげなくアピールしている。
 しかし、ガレイで真剣にマッサージをしているため、それにまったく気づいていない。
 それはそれで仕方がない。ガレイはそういう人間で、自分はそこに惚れている。
(けど、ここから先は、そうもいかないわよ……!)
 うつ伏せのまま、目をキラリと輝かせるシモーヌ。
(両足のマッサージが終われば、いよいよ胴体のマッサージ……ここで私のお尻やお腹、背中、そして胸を触ってもらって、ガレイにムラっとしてもらう。その流れで、「仕方がないわね」という体でHに持ち込む。ガレイは恥ずかしがるかもしれないけど、マッサージという理由付けはあるのだから、本当に拒みはしないはず……!)
 人知れず拳を握りしめ、自らのアイデアの成功を確信する。
(いける、いけるわ! ああっ、我ながら完璧な流れ! さすが私! そしてすべてがうまくいけば、私には快適な奴隷生活が待っている……!)
「えへ、えへへへへ、えへへへへへへへ……」
「大丈夫、シモーヌ? 変な声をあげているけど。涎も垂れ流しているけど」
「はっ! え、いや、大丈夫大丈夫、なんでもないなんでもない」
「そう? じゃあ、そろそろ太ももをやるね」
 シモーヌのハイソックスに包まれた太ももに両手を乗せるガレイ。シモーヌの身体を慮ってか、優しく、擦るようにマッサージを始める。
 愛する主人に太もも、つまりは秘部に近い部分を触れたからか、シモーヌは心臓の高鳴りを覚えてきた。切ない気持ちが高まる。
 やがて、ガレイは太もものマッサージを終えて、シモーヌの身体から両手を放した。いよいよ、その「上」の部位に取りかかるということだ。
(よし、やるわよシモーヌ……!)
 ガレイは無言のままシモーヌのお尻に両手を乗せ、優しく揉みしだきはじめた。
 シモーヌが下半身に身に着けているのは、布地が秘部とお尻の部分くらいにしかない、極めて露出度の高い下着のようなものだけだ。普段は上着の薄い白地のベールに部分的に隠れているが、寝転がった今では、ただ単に白い糸のような布がお尻の割れ目から秘部にかけて覆われているだけとなっている。
 シモーヌのヒップは染みひとつない美しさで、ぷるぷると肉付きのよさを示すように揺れながら、じんわりと汗に濡れて生々しい光沢を放っている。
 ガレイは無言のまま、そんなシモーヌのお尻を揉みしだいていく。
 モミモミモミ……。
「あっ、ひっ、そこ、あっ……!」
 湿っぽい声をあげるシモーヌ。もちろん演技だ。
「はぁっ……! そ、こ……いい、いいわよ、ガレイ、もっと、もっとぉ……!」
(ふふっ……。伝承によると、エルフの喘ぎ声は、どんな人間の男でも劣情を催すと言われているわ。あくまで伝承だけど、私の美しくて肉付きのいいお尻を揉みながらの合わせ技……ガレイに効かないわけがない。そうよね……!)
 きっと視線をガレイに向けるシモーヌ。こんな状況で、ムラっとこない男がいないはずがない……そんな確信を込めた眼差し。そしてその先には!
「…………」
 これまで通り、素面のままシモーヌのお尻を揉み続けるガレイの顔があった。
 興奮した様子はない。
 ガレイは平常のまま、シモーヌの、魅惑たっぷりのお尻を揉みしだいている。
(あ、あれぇ……?)
 モミモミモミモミ。
「ガ、ガレイ? ひとつ聞いていいかしら」
「なんだい?」
「あの、なんか、変な感じにはなっていない?」
「変な感じ? いや、特には」
「いやいやいや! なっていないとおかしいわよ!」
「どうして?」
「だって、私のお尻を揉んでいるのよ!? 私の、エルフの、女の子の! 変な気分にならない? ムラっとしない?」
「しないかなぁ……」
 ガレイは尻のマッサージを終え、背中へと移行しようとする。
「ガレイ、ちょっと待って!」
「ん?」
「あの、背中の前に、ここ、揉んでもらいたいんだけど!」
「ここ?」
「ここ! 言わせないで!」
 シモーヌは自分の胸元を両の手のひらで触れた。
「み、見ての通り、私の、大きいでしょ? 最近、肩が凝って仕方がないのよ!」
 真っ赤なだった。自分の胸の大きさは自覚しているが、重さを感じたことはない。
 シモーヌは自分から身体を反転させて、正面からガレイに向き合った。
 下半身と同じく、やはり布地が極端に少ない衣装に覆われたふたつの乳房が、ぷるんと揺れながらガレイの前に曝け出される。
「こ、この姿勢で……! 背中からだと、うまく揉めないだろうし……!」
 シモーヌは顔を長い耳まで真っ赤にしながらガレイに視線を合わせた。
(恥ずかしい……! 自分から、これを言うなんて……! でも、これなら……!)
 だが、ガレイは「わかった」とだけ口にして、無表情でシモーヌの胸を揉み始めた。
「んっ……んんんっ……!」
 気持ちいい。喘ぎ声が出そうになるくらい気持ちいい。
 が、ガレイに変化はない。
(ど、どういうこと……!?)
「ガ、ガレイ……? ちょっと、単刀直入に聞いてもいい?」
「ん? なんだい、シモーヌ」
「あの、私のおっぱいやお尻を揉んで、本当に何にも感じない?」
「感じない」
「ムラっともしない?」
「しないよ」
「どうして!?」
「だってこれ、マッサージだもの」
「はぁ……?」
「さっき、このマッサージは父親譲りだって言ったよね。昔、僕も真似して仲間たちに施術したことがあるんだけど、その時、父にかなりきつく言いつけられてね」
「な、何を……?」
「女の子にマッサージしても欲情するな」
 キリリとした声で告げるガレイ。シモーヌは絶句するしかない。
「マッサージはあくまで医術。だから、女の子に施術することになっても、いやらしい気分になっていいことは何もない。父はそれを言いたかったんだと思う」
「……じゃ、じゃあ、今も……?」
「もちろん。確かに、シモーヌは魅力的だけど、そんなことは今、僕が気にしてはいけないことだ。大丈夫、僕もこれまでに何人もの女性の剣士を相手にマッサージしているから、そういうことには慣れている。そもそも、君という高貴なエルフの姫に、僕が欲情をしたり恋心を抱くなど、本来ならあってはならないことだし」
「…………」
「うん、確かに胸が凝っていた。けど、これで大丈夫。はい、またうつ伏せになって」
 ガレイはシモーヌの身体を反転させた。シモーヌは思考が停止したままそれに従う。
 背中へのマッサージを再開する。相変わらずガレイのマッサージは気持ちいい。しかし、今のシモーヌには何も感じられない。先ほどまでの勝利の確信が消滅していく。
(そんな……でも確かにガレイの言う通りで、マッサージする側がいちいち女の子に劣情を抱いていたら話が進まなくて、私を大切にしてくれているのも確かで、そのあたりきっちりしているガレイはやっぱりかっこよくて……じゃなくて!)
 シモーヌが混乱する間にも、ガレイのマッサージはどんどん進んでいく。背中が終わり、今やガレイの両手はシモーヌの首元や顎に至っている。
(えええっ! ここまで流れを作ったのに、これで終わり……!? いやでも、マッサージは気持ちよくて、これはこれで得した気分……って、だからそうじゃなくて! ええいシモーヌ、冷静に考えるのよ。この状況からいかにしてHに導くか……!)
 ガレイのマッサージが続く中、シモーヌの思案も続く。
 心の中で、ひとつの決断が下される。
(これしかない! 死にたくなるほど恥ずかしいけど、これしか……!)
「あの、ガレイ……? 実はその、相談があるんだけど……?」
「なんだい、シモーヌ」
 シモーヌの右腕を両手で優しく揉みながら、視線を向けることなく応じるガレイ。
「あの、ガレイは知らないだろうから教えるのだけど、エルフってね、ある部分をマッサージしてもらうと、魔力の回復が飛躍的に早くなるそうなのよ」
「そうなのか。初めて聞く話だ」
「誰にも教えていないから当然よ。あなたの父にも話したことがないわ」
「そうか。で、どこをマッサージすると、そうなるんだい?」
「それが……あそこ、なの」
「あそこ?」
「ち、膣内……」
「ちつない?」
「…………」
 シモーヌは恥ずかしさのあまり黙り込んだ。次の言葉が続かない。もちろん、この話はまるっきりなのだが、混乱したシモーヌの脳はこれしか妙案を出せなかった。
 ガレイも無言のままマッサージを続ける。
 大変に、大変に気まずい沈黙。
(ってバレてる……!? でも、今の私には、これしか……!)
「だ、だから、逆に言うと、ガレイが私の身体でムラっとこないの、問題なのよね……! だから、ガレイにしか頼めないって思って、頼んだというわけだし……」
 モミモミモミモミ。
「も、もちろん、本当はこんなこと、ガレイにだって頼みたくないわ。下等な人間に、その、事実上のセックスをお願いするなんて……!」
 モミモミモミモミ。
「けど、今日はあんな激戦で、私も魔力の消耗が大じゃない? けど、明日以降の戦いにも備えないといけないじゃない? 今夜中に魔力を回復しないといけないじゃない? だから、仕方がなく、仕方がなくいってるの! そう、これはセックスのお誘いなんかじゃなくて、マッサージの一環! あくまで施術、医療行為! ね、ね!?」
 モミモミモミモミ……再び気まずい沈黙。
 ガレイは淡々とシモーヌの腕を揉みしだいていく。シモーヌは祈るような気分でその沈黙に耐える。
 そして、両腕の全体をひと通り揉み終えた後、ガレイはようやく口を開いた。
「そうか……。確かにそういうことであれば、僕に頼むしかないね」
「ガ、ガレイ……?」
「君の本当の希望を見抜けなくて、すまなかった。できれば僕も、君の願いを果たしたいと思う。君の騎士団を大切に想う気持ちは、とてもありがたい」
「じゃ、じゃあ……?」
「けど、どうしたものかな。君の魔力を回復するためにセックスをするのは、騎士団長の務めとしてやぶさかではないのだけれど……」
(あくまで騎士団長の務めとして、ってことで納得するところが、ガレイらしくてもどかしいわね……! 拒絶されるよりは百倍マシだけど……!)
「けど……?」
「その、今はマッサージに集中する意識になってしまって、君に欲情することができそうにない」
 現状では勃起しそうにない、という言葉をオブラートに表現するガレイ。
「どれだけ君が女性として魅力的だとしても、今は僕の施術の対象だ。君だって、マッサージをされている途中で相手に欲情されても困るだろう?」
(困らない困らない! 今まさにそれが必要! ガレイ限定だけれども! ああでも、簡単に意識を切り替えられない不器用で優しいガレイも素敵……じゃなくて!)
「じゃ、じゃあ、マッサージがひと通り終わったら、意識を切り替えて……」
「それはよくない。今回の場合、君とのセックスもマッサージ、つまりは治療行為の一環だ。思考が色欲に完全に支配されてしまうと、君の疲れている部分を把握し、的確に施術をすることができなくなる。たとえその場所が君の中だとしても」
(マッサージという立て付けを守りすぎぃ! 私が言い出したことだけどぉ!)
「どうしたものか。マッサージが目的なら、性的な玩具でも……ああ、でも、今夜中に問題を解決しなければ、明日の戦いに間に合わない……いやでも、あるいは……」
 ガレイの不穏な発言に、シモーヌは自分に一刻の猶予もないことを悟った。
「そ、そうね! じゃあ、こういうのはどうかしら!」
 シモーヌは片手を上げて意見を口にした。
「ガレイが私にマッサージしながら、私がガレイを気持ちよくするの! そうすれば、ガレイはマッサージの意識を持ちながら、私とセックスできる状態にならない?」
「確かにそれならば……。けど、どうやって……?」
「どうやって……?」
 そこまでは考えていなかった。頭の中が真っ白になる。
「じゃ、じゃあ、腕のマッサージが終わったら、ガレイは仰向けに寝転んで! 私がガレイに馬乗りになるから、その体勢で、私のおっぱいをマッサージしてほしいの」
「胸を? でも、そこはさっき……」
「もう一度やってほしいの! 特に、その、乳首というか、その先っぽのあたりを! さっきやってなかったでしょ? で、その体勢で、私がガレイのあそこを自分のあそこで気持ちよくしてあげるから! これなら問題なし! ね、ね!?」
(死ぬほど恥ずかしい台詞だわこれ……! 自分でセックスの体位を事細かに指示するなんて……! でも、ガレイにその気になってもらうにはこれしか……!)
 泣きそうな気分でじっと見つめる。ここまできたらやるしかないし、ヤるしかない。
「……わかった。やってみよう」
「……! ガレイっ……!」
 花が開いたようなシモーヌの声。内心では「交渉成立!」とガッツポーズを構える。
 しかし、ガレイはガレイだった。感情高ぶるシモーヌに、にっこりと微笑む。
「あ、でも、この腕のマッサージは最後まできちんとやらせてね。意外と右の指先が凝っていて……重い杖をいつも握っているからかな。ちょっと待っていていてね、シモーヌのオーダー通り、指の一本一本、丁寧に施術していくから」
「あっ、はい……」

3 初体験は騎乗位で
「こ、こんな感じでいいのかな……?」
「そ、そうね……」
 ギシギシとベッドをきしませながら、シモーヌとガレイは所定の位置につく。
 ガレイはベッドの上で仰向けになり、シモーヌはそんなガレイの股の上に腰を下ろし、馬乗りになるという体勢だ。
 ふたりとも、いまだに服を着たままだ。シモーヌとしても、ガレイとセックスをするには、いずれお互いに大事な場所を露出させなければならないのはわかっているが、何分初めての経験であるため、タイミングがつかめない。
(ど、どうしよ……でも、ここまで来たら、なるようになれだわ! 恥ずかしい思いはしたくないし、おっぱいや乳首だって布越しに揉むくらいはできるわけだし……)
 常にきわどい格好をしているシモーヌにも、相応の羞恥心はあった。
(この服だって、先代の主人、つまりはガレイのお父さんが買い与えたものなんだから……。まぁ、エルフの魔力を増大させるっていう、特殊な効能のある布で織られた衣装で、私の美しさをアピールするのに都合のいいデザインだから、文句はないんだけど……)
「じゃあ、僕は施術を始めればいいのかな……?」
 ガレイが言った。シモーヌに跨られ、その乳房を仰ぎ見ることになっている。
 シモーヌの胸の形は、いわゆる釣鐘型。乳首から下の部分の脂肪が豊かで、乳首が上に向いて立っている。ボリュームも充分以上で、近くで見るとかなりの圧巻だ。
 ガレイも、シモーヌの胸を間近に見るのは初めてのようで、若干気圧されている。
「そ、そうね……! お願いしようかしら……」
「僕はともかく、シモーヌは……?」
「あ、安心して! きちんと気持ちよくしてあげるから! とにかく、始めて……」
「わかった」
 ガレイはこれまでと同じように優しい手つきでシモーヌの胸のふたつの膨らみに触れた。そして、ゆっくりと撫で始める。
 あくまでマッサージであることを意識してか、乳房をまんべんなく撫でていく。
 しかし、そのおかげで……。
(これ、すごく、すっごく、気持ちいい……!)
 シモーヌはこれまでに感じたことのない快感の中にあった。
 先ほどはガレイのあまりの無反応ぶりに落胆する中での行為であったため、多少は気持ちよくはあっても感情は高ぶらなかった。
 今回はそれとまったく異なる。ガレイとひとつになれるという期待からか、あるいはガレイが先ほどより丁寧に胸を揉んでくれるおかげか、気持ちよさが段違いだった。
「あっ、はぁっ、はぁっ、あああっ……!」
 荒い息を吐き出しながら身体が自然に上下してしまう。乳首が次第にジンジンしてきて、たまらない気分になる。
(私、感じてる……ガレイにおっぱいを揉まれて……)
 ガレイの指圧が次第に高まっていく。下乳を入念に揉んだり、それが終わったら胸元に移ったり……。
「ひっ、あっ、はぁっ! あああっ……!」
「シモーヌ、大丈夫?」
 両手の動きを止めて、心配そうにガレイが尋ねる。
「だ、大丈夫……! 純粋に、気持ちいだけ……。マッサージだもの……」
「そ、そう……。じゃあ、シモーヌも、そろそろ……」
「わかってる……っ!」
 おっぱいへの愛撫に意識が向かいすぎて、自分の仕事を忘れていた。
 ガレイが胸をいじる間に、自分はガレイを気持ちよくしなければならない。マッサージが終わってしまえば、今までの流れが無に帰ってしまう。
 シモーヌは腰をにじり動かし、自分の股にガレイの股を合わせた。
 ガレイのズボンの中に収まっている(と思われる)男根は、今のところなんの変化もない。ガレイの精神の強さを感じる。あるいは度が外れた朴念仁ぶりと言うべきか。
(これを、私の腰使いで大きくする……本当にできるの? いや、できると信じて前に進むしか……私には、退路なんてどこにも……!)
「い、いくわよ……」
 シモーヌは自分とガレイの秘部を合わせたまま、ゆっくりと動き始めた。
 最初は単純な上下運動。それに慣れると、今度は腰をくねらせて、ガレイに与える感覚に変化をつける。
 ズボン越しにもわかるガレイの陰茎の柔らかくて温かな感触。それだけでも気持ちがよくて、子宮が疼くような感覚が生じてくる。
(これ、セックスのプレイとしては、確か、『素股』っていうのよね……。これも、いい感じ……! 身体が、蕩けていくような……!)
「んっ、はっ、んっ、んんんっ!」
 湿った声を出しながら、シモーヌは動きを大きくしていく。ガレイのペニスに自分のあそこを擦り合わせるたびに、陰部から体液が染み出し、陰唇が左右に広がっていく感じがある。
 やがて、ガレイのペニスそのものも、ズボン越しでわかるほどに熱と弾力が生じ始めてきた。
 シモーヌが腰を振るたびに、ガレイの陰茎も、むくむくと力強く成長……もとい、勃起していく。
 ガレイも気持ちよさを感じているのか、火照った顔に何かに耐えるような表情を浮かべている。額にもうっすらと汗が滲み、心なしか呼吸も乱れかけている。
 シモーヌは喝采をあげたい気分だった。
(ガレイが私で気持ちよくなってくれている……感じてくれている。嬉しい……!)
 あと少しで、ガレイとひとつになれるのだ。期待はいやがおうにも高まる。
 一方、ガレイの乳房への愛撫も激しさを増していた。ふたつの双丘を鷲みにして、こね回したり、たぷたぷと上下左右に揺らしたり……。
「はっ、ああっ、はぁぁぁっ!」
(ヤバイこれ……! おっぱいを責められて、素股でガレイの股をコスらせてもらって……! セックスって、こんなに気持ちがいいものなの……!? まだ、本番でもないのに……!)
「はぁっ、はぁっ、んあぁぁっ! いい、いいよ、ガレイ……!」
 荒い息を吐き出しながら、ガレイを見つめる。
「すごく、気持ちいい……。ガレイ、さすが、私のご主人様……!」
「う、うん……僕も、すごく気持ちいい……」
「嬉しい……!」
「ただ、そろそろ乳首のほうも、マッサージを進めたいんだけど……」
「そ、そうね……! 今、見せるわ……」
 行為を始める前は恥ずかしさがあったが、今やそんなものは消え失せている。というより、ガレイに自分の大切な部分を見てもらいたい。そして、愛してもらいたいという気持ちのほうが強い。
 シモーヌは淫靡に腰をくねらせながら、自分の胸の先端を覆っていた布地を左右にずらした。
 乳房が弾けるように揺れ、ふたつの乳首があらわになる。
 これまでの愛撫のおかげか、シモーヌのそこは充分に充血し、淡いピンク色に染まっていた。乳首も上を向いてツンと立ち、乳輪の大きさも中程度。ため息が出るほどの美しさだ。乳房の表面には汗がじっとりと浮かび、部屋の明かりに照らされてテラテラと輝いている。
 気がつくと、ガレイがじっと乳首を見つめていた。
 シモーヌに、忘れかけていた羞恥心が宿る。
「な、何よ、そんなにじっくり見ちゃって……」
「いやぁ……やっぱり、シモーヌの身体は綺麗だなって……。初めて見た時もそう思ったけど、こうやって近くで見ると……」
「も、もうっ……! 褒めても何も出ないわよ……」
「でも、これだけ綺麗だってことは、シモーヌが健康だってことだよ。騎士団での生活はモンスターとの戦いが日常だから、それで身体を壊していないか心配だったんだけど、うん、これなら、そういう懸念はなさそうだ……」
「あ、そう……」
 シモーヌの健康を気遣うという、本来の目的を忘れないところが、シモーヌにとっては残念であり、同時にガレイらしさを感じるところだった。
「じゃあ、そろそろ……」
 ガレイは右の指先でそっとシモーヌの乳首をつまんだ。
 そして、優しい指使いで、乳首を撫で回し始める。
「ひぁっ! あっあっあっ、ああああっ!」
 電流のような快感が乳首から胸全体に広がっていく。
(何これ……! おっぱいを揉まれるのとは別の気持ちよさ……! これも、いい……たまんないっ!)
「あっ、ひっ、あっ、あうっ、あああっ、はぁっ!」
 恥ずかしい声が漏れてしまう。止めようとしても止まらない。
 これまでの愛撫ですでに充血しきった乳首が、ガレイの指でこねくり回され、さらに赤く染まっていく。膨らみも増し、乳頭の皺のひとつひとつが見えるほどだ。
 その快楽に押されるように、シモーヌの腰使いも自然に激しさを増していく。
 おかげでガレイのズボンの中身も、充分に大きくなってしまっている。文字通り、ズボンがはちきれんばかりだ。
 シモーヌの秘部からも愛液が漏れ出し、そこを覆っている布地を湿らせている。
 クチュクチュクチュ、と、シモーヌが腰を振るたびに、淫らな音がふたりの股の間から生じる。
「ひぁつ、あっ、あっ、あああっ!」
(気持ちいい……っ! けど、そろそろ、次にいかないと……! ガレイのを、私の中に……そうしないと、時間切れに……っ!)
 あくまでこれは治療行為なのだ。少なくともガレイにとってはそうで、胸のマッサージ(というか愛撫)が終わってしまうと、ガレイの気分が変わってしまうかもしれない。セックスの最中にそんな馬鹿な、と思いたいところだが、ガレイにそんな常識が通じるならば自分はこんな苦労をしていない。
 だから……。
「そろそろ、ここのマッサージ、お願いしたいんだけど……っ!」
 止まらない腰の動きの中、シモーヌが両手を下腹部に添え、懇願するように言った。
「私、も、もう……我慢できない……っ!」
「……ッ! そんなに、魔力の消耗が大きかったのか……?」
 驚くように尋ねるガレイ。シモーヌの魔力が枯渇しつつある、と解釈したらしい。
 もはやツッコミを入れる余裕もないシモーヌはノータイムで応じる。
「そ、そうよ……っ! ガレイのおかげで、(理性が)すっからかんよ……!」
「……わかった」
 ガレイは真剣な表情で頷くと、自分でズボンのチャックを外し、陰部を露出させた。
 今度はシモーヌが目をく番だった。
(これが、ガレイのおちん×ん……!? 思った以上におっきくて太くて……っ!)
 男性器を間近で見るのは初めてだが、そうだとしても、ガレイの男根は人並み以上に大きいように思えた。赤黒くて腹部に向けて立派に反り返っていて……馬のそれを彷彿とされる。美男子のガレイにこれがついていると思うとかなりのギャップがある。
 これが自分にすべて収まった場合、ヘソの下くらいまで入ってしまうことになる。
(本当に入るの、これ……?)
 何もしなくても、ビクビクと身震いするガレイの息子。シモーヌは息をのんだ。
(でも、これを私の身体でたっぷり気持ちよくしてあげれば、ガレイは私を必要とするようになって、私の奴隷ライフに前途に光が射しこむ……いるわよ、シモーヌ!)
「ガレイが準備OKなら、私も……」
 シモーヌも、自分で下半身を覆っていた布地をずらし、自らの秘部をあらわにした。
 シモーヌのそこも、これまでの前戯のおかげでしっとりと濡れ、ピンクの花弁……小陰唇が開いていた。ただ、その先の大陰唇はぴたりと閉じている。ヘアは皆無だ。
 ガレイの視線もシモーヌの秘裂に吸い寄せられていた。シモーヌの素股のおかげで気持ちよくなっていたのか、ガレイにしてはいささか恍惚とした表情となっている。
ただ、瞳からは理性は失われていない。もしかすると、今もまだ、シモーヌの体調を気遣い、治療に意識を向けているのかもしれない。
 シモーヌは恐る恐るガレイの逸物を右手で触れた。
 熱せられた鉄のような熱さと逞しい肉感。男性のペニスを触ることもシモーヌにとっては初めての経験で、驚きの連続となっている。
(普段はズボンの中に収まるくらいのおちん×んが、気持ちよさを感じると、こんなにも大きくなるのね……)
 シモーヌはガレイの男根を右手でそっとみ、上方に……つまりは自分の股の方向に持ち上げた。そして、腰を浮かして、自分のヴァギナにあてがう。
 クチュン、と湿った音と同時に、ガレイの先端が開かれた小陰茎の中身に接触する。
 やはり熱い……そして、それ以上に硬い。
 こんなもので身体の中をかき回されたら、マッサージどころではない気がする。
「い、入れるわね……?」
 シモーヌはガレイの男根を右手でんだまま、自らの腰をゆっくりと落とした。
 ズリュ、ズリュ、ズブブブブッ……。
「んんんんんんっ!」
 初めて膣内に感じる異物感。驚きがないといったらウソになる。自分の肉体が、熱い肉の塊によって押し広げられていくような感覚。
 痛みはない。むしろ、自分とガレイがひとつになっていくような心地よさを感じる。
 慎重に腰を下ろし、数秒かけて亀頭までを呑み込む。
 やはり痛みはない。破瓜の血も出ていない。
「はあっ、はぁっ……、思ったより楽だけど、これ、どうして……?」
「ああ、もしかして破瓜の痛みのこと? というか、シモーヌは処女だったの?」
 ガレイがきょとんとした顔で尋ねる。シモーヌはさすがに声を荒くした。
「処女だったのって、そうに決まっているわよ! 汚れのない純潔! バージン! あなたの父親が私を買った時、契約書にもそう書いてあったはず……!」
「それはそうなんだけど、その後もずっとそうだとは思っていなくて。別に父も僕も、君が白狼騎士団に尽くしてくれる限り、君の交友関係に口を挟むつもりはなかったし」
「だとしても、そういう目で見られていたのは心外だわ……!」
「ごめん。それについては謝るよ。そして、こうして純潔を捨ててまで、騎士団のために魔力回復を優先してくれるなんて……本当に君には感謝しかない」
「…………」(内心の叫び:感謝してくれるなら、私の気持ちに気づいてくれてもいいと思うんだけど!)
「どうした、シモーヌ?」
「な、なんでもない!」
「……痛みがあまりないのは、たぶん、僕のマッサージの影響だと思う。僕との結合の前に、あまり痛くならないようにツボを押していたから」
「そんなツボあるの!?」
「以前、一緒に仕事をした奴隷商人に教えてもらった。ほら、連中はそういう仕事の人間を扱うことが多いから。これは治療行為だから、無駄な痛みはないほうがいい」
「そ、そう。気遣いは、感謝しておくわ……」
「とにかく、進めるわよ……痛みは少ないとはいえ、私のバージンを奪った分、たっぷりマッサージで治療してもらうんだから!」
 シモーヌは表情を引き締め、深く腰を下ろした。
 ずぶ、ずぶ、ずりゅぶぶぶぶぶ……!
「ひ、あっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 ついにガレイの陰茎のすべてがシモーヌの膣内に収まった。今、シモーヌはガレイの下半身に全体重をかけた状態で、根本さえ見えなくなっている。
(まさか、あの大きいのが全部入ってしまうなんて……でも、私の中に、ガレイの全部が入っているのが、感覚としてわかる……)
 下腹部を手のひらで押さえると、その先に確かに硬いものがある感触があった。ガレイのペニスは剛直のまま、自分の身体に収まってしまっている。
(とっても熱くて硬くて、圧迫感がすごい……! けど、気持ちいい……! ガレイのすべてを私が包んでいるような……!)
「ガレイ、気持ちいい……?」
 ガレイはシモーヌの胸への愛撫を止め、腰の両脇に手を移動させながら答えた。
「ああ、気持ちいいよ。すごく」
「ど、どんなふうに……?」
「ええと……シモーヌの中はとっても温かくてヌメヌメしていて、それでいて周りの肉がキュウキュウと締めつけてきて、なんとも言えない気持ちよさだ。さすが処女と言うべきか……このままでも、気を抜くとすぐに射精してしまいそうだ」
「ほ、本当……!?」
「ああ。シモーヌは、とっても可愛くて魅力的で、それでいてすごく僕好みの性器を持っている女の子だ。ずっと挿れていたいくらい」
(それって、セックスの相性がバッチリってことよね!? よし、よしよし! このまま最後まで進めば、きっと、ガレイを私の虜にできる……!)
「……でも、安心して、シモーヌ」
「はい?」
「あくまでこれは治療のための行為だ。僕は君とのセックスで必要以上の快楽は求めないし、君の尊厳を第一に考えるから、そのつもりでいてくれ!」
 真摯な眼差しのガレイ。
 シモーヌは一呼吸分ほど何かを言いたげにガレイを見つめていたが、先ほどの自信が思い出されたのか、エルフの姫にこそ相応しい不敵な微笑みを浮かべた。
「……そうね。ガレイはそのつもりでいいわ。今のところは」
「今のところは?」
「それで、これからどうするの? 私が動けばいいのかしら?」
「あ、ああ、君ではなく僕が動くよ。あくまでマッサージだから、君の中を僕のものでまんべんなくほぐしたほうがいい」
「そ、そうね……! それでお願いするわ……!」
「では、最初はゆっくり……」
 ガレイは緩やかに腰を上下に動かし始めた。当然、ガレイの男根も上下し、シモーヌの陰部から出し入れされる。
 ずちゅ、ずちゅ、ぬちゅ、くちゅ、くちゅちゅ……。
「ひっ、あっ、はぁっ、ああああっ!」
(これ、気持ちいい……! 今までのどんなものよりも……!)
 ガレイのペニスが上下するたびに、その太くて硬いものが蜜壺の壁面を摩擦し、蕩けるような快感を生み出す。特に、先端の大きな亀頭が膣内の奥の部分を通過する時にそれを強く感じる。
(つまり、ここが私の一番感じる部分ってこと……!? そこに、ガレイのおちん×んがしっかり届いている……!)
 やはり、自分とガレイの相性度は高い……素直な嬉しさがあるし、期待感もある。
(これからセックスするたびに、こうやって気持ちよくしてもらえる……ダメ、やっぱり私、ガレイとは離れられない、絶対に……!)
「ひっ、あっ、はぁっ、いい、いいわ、ガレイ、ガレイ……!」
 内心の気持ちの高ぶりに合わせるかのように、ガレイとの交わりによる気持ちよさも増していく。いまだぎこちなくではあるが、自然に自分の腰も動いてしまう。 
 ガレイもシモーヌが慣れてきたのを悟ったのか、先ほどの宣言通り、シモーヌの膣内の四方を自分の男根でまんべんなく突き始めた。それだけでなく、蜜壺をほぐすことを意図してか、陰口を広げるような動きを混ぜながら。
 ぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅ、ぐちゅちゅ……!
「ひぁっ! あっあっあっ、あああああっ!」
 それがひと通り終わると、今度はそれまでよりも激しいピストンを開始する。
 ばちゅん、ばちゅくちゅくちゅ、ばちゅちゅちゅ!
「いやぁぁっ! いやらしい音が、聞こえちゃう……! ひっ、はぁぁっ!」
 ガレイがシモーヌの秘裂にペニスを突き立てるたびに、電流のような快楽が襲いかかり、それが背筋まで駆け上る。身体がバウンドし、漏れ出した愛液が飛沫となって飛び散り、シーツに染みを作っていく。
 鼻につくのはむせ返るような雄と雌の匂い。ギシギシとベッドが揺れて、自分の喘ぎ声が部屋の中に絶え間なく反響する。ここは壁の薄さで定評のある安宿。防音の魔法をかけていなかったら、間違いなく仲間たちに行為がばれてしまっていただろう。
「あっ、ひあっ、ふぁっ、ああああっ! すごい、いい……! セックス、気持ちいい……! ガレイ、いいわ、いいよ、そこ、そこぉぉぉぉ!」
 何かがこみ上がってくる感覚。このまま続けていれば、ほどなくそこに達してしまう。
(これがイクって感覚……? 私、初めてなのに……?)
 おそらく、事前にガレイにしっかりとマッサージをしてもらったおかげだろう。身体がリラックスして、官能に反応しやすくなっているのかもしれない。
(理由はなんでもいい。このままイキたい……イかせてもらいたい……! ガレイに、自分をめちゃくちゃにしてもらいたい……!)
「シモーヌ……っ! 実は、僕も……っ! でも……っ! このままでは……っ!」
 ガレイも腰を振りながら、苦しそうに告げる。
 最愛の主人が何を言いたいのか、シモーヌにはわかっていた。
 あくまでこの行為は、シモーヌの魔力を回復させるためのマッサージで治療行為。
そうであるのに自分が気持ちよくなってしまうのは本来ならよくないことだ。しかもこのままでは、自分はシモーヌの中で果ててしまう……イってしまう。
(ガレイが、私で気持ちよくなって、達しようとしている……嬉しい……っ!)
「ガレイ、気にしないで……っ! セックスって、そういうものだろうから……っ! 今回は、治療の副産物として、そうなっても仕方がないのだから……っ!」
「でもっ……! もし、君が妊娠したら……っ!」
「それも大丈夫……っ! 自分の膣の中に防壁魔法を仕込んでおいたから……っ!」
「はぁっ!? それって……」
「だから、中で出されても、ガレイの子種は子宮には届かない……! 私だって、そのあたりは考えているんだから……っ!」
 先ほどのような口から出まかせではなかった。本当にシモーヌは自分の子宮口に魔法で障壁を作り、妊娠を防ごうとしていた。
 それは、妊娠という奥の手でガレイを自分に引き寄せようとするのではなく、自分の肉体だけでガレイを手に入れようとする、決意の表れでもある。
(だって私、子供が欲しいわけじゃなくて、ガレイと一緒にいたいだけなんだもの……っ! そりゃ、ガレイの子供を生めれば幸せだけど、ガレイには騎士団長としての役目がある……迷惑をかけたくない……っ!)
「だから、このまま、このまま……っ! 最後までしたほうが、きっと膣内のほぐれも進んで、魔力回復にがるから……っ!」
「わ、わかった……っ!」
 ガレイはあくまで施術のひとつとして、膣内社製に納得したようだった。こんな際立った状態においてまでシモーヌの身体の大事を意識するのがガレイらしい。
 ガレイはシモーヌの両手を自らの両手で自分から握り、腰の打ちつけを激しくした。
 ずちゅ! ずちゅずちゅずちゅ! ずちゅちゅん! ずちゅん!
「ひゃぁっ! ガレイ、激し……っ! あっあっあっ! ああああっ!」
 ガレイの動きに合わせて、シモーヌも必死に腰を振る。もはやマッサージがどうのという立て付けはどうでもいい。ただ気持ちよくなりたい。ただ快楽を貪りたい。ただガレイと一緒に達したい……愛し、愛されたい。
「ガレイ、私、もう、ダメ……っ! もうすぐ、もうすぐっ……!」
「僕もだ、シモーヌ……っ!」
「きて、きて、ガレイ……っ! いっぱい、いっぱい、私で気持ちよくなって……っ! ガレイので、私の中をいっぱいにして……っ!」
「シモーヌ……!」
「いくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
 全身に迸る強烈な快感……シモーヌは絶頂に達すると同時に身体をのけ反らせた。乳首を立たせた豊満な胸元がぶるるんと震え、全身の汗と下半身の愛液が飛び散る。
 同時に、ガレイも限界に達し、シモーヌの一番深い部分にペニスを突き立てながら白い欲望を勢いよく吐き出す。
 どぴゅっ! どぴゅどぴゅどぴゅ! どぴゅぴゅ……!
「ひゃぁぁっ! ガレイのが、出てる、いっぱい……っ! とっても、熱い……っ!」
 全身を背中に逸らせながら、シモーヌは喘ぐように言葉を紡いだ。あまりの気持ちよさに思考が飛びそうになる。
 ガレイも荒い息を吐きながら、シモーヌとがったまま、動きを止めていた。さすがに疲弊したらしい。ただ、射精欲を発散したためか、まんざらではない表情だ。
 ふたりはしばらくの間、そのままがったままでいた。
シモーヌに突き立てられていたガレイのペニスが、役割を終えたことを示すように、緩やかに硬さを失っていく。ただ、シモーヌの膣内に大量に吐き出された精子は、温かさを保ったまま、そこに滞留している。
 シモーヌは愛おしそうに、自分とガレイの結合部を見つめた。
 ふたりの秘部から漏れ出した愛液と体液でドロドロになったそこは、淫らではあるものの、ふたりが肉体でがった、確かな証拠でもある……。
「シモーヌ……」
 ガレイがシモーヌの顔と汗まみれの乳房を見上げながら、慮るように尋ねた。
「その……どうかな? 僕、きちんと君の大事な部分を、揉みほぐす……というか、楽にすることができたかな?」
「ガレイ……?」
「君の解放の期日は確かに近づいているが、君はそれまでは大事な仲間だ。君が騎士団に尽くしてくれるなら、僕も君に尽くしたい。僕の身体でそれができるなら……」
 真剣な眼差しのガレイ。
 シモーヌはガレイの気遣いが嬉しくもあり悲しくもあった。しかし、今はそれよりも、ガレイを安心させたかった。
 だから、微笑みを浮かべて、こう答える。
「……もちろんよ、ご主人様」

4 想い届かず!
 言うまでもなく、シモーヌに目的達成の喜びがなかったと言えばになる。
「よし、よし! さすが私! ガレイと初めてのHができた……ガレイを気持ちよくさせることができた! よし、よし!」
 ガレイが退室した後、シモーヌは喝采をあげていた。
「最後までガレイは『これはあくまでマッサージだから』とか『君の身体で気持ちよくなってしまったり、妊娠の恐れがないとはいえ、君の中を僕の精液で汚してしまったりして、すまなかった』とか言っていたけど、ノープロブレムよノープロブレム! これでガレイはHの気持ちよさ、特に私の身体の気持ちよさを理解したはず……!」
 口元に自信たっぷりの笑みが浮かぶ。
「事前の策が台無しになった時にはどうなるかと思ったけど……結果よければすべてよし! とにかく、きっかけはんだんだから、後はHを重ねて、ガレイを私に堕とす! ガレイを騙すのは申し訳ないけど、私が白狼騎士団に残ったほうが騎士団の稼ぎもよくなるんだから、これもガレイのため、ええ、そうよ、ガレイのため……!」
 シモーヌは右の拳を握りしめた。
 湧き上がる成功の確信。このままいけば、きっと来月にはガレイは自分の身体に惚れ込んで、奴隷解放の話など雲散しているはず……と思ったその時。
「シモーヌ、起きているかい?」
 ガレイの声だった。コンコンと部屋のドアもノックもしている。
(ガレイ……? どうかしたのかしら……まさか、今さっきのHのおかげで恋に目覚めて、愛の告白? きゃぁっ!)
 そんなことあるはずないと思いながら、期待に胸弾ませながらドアを開ける。
 ドアの前には、服装を整えたガレイがいた。小さな木箱を抱えている。
 ガレイは朗らかな笑顔で言った。
「よかった。今さっきのことだから、疲れて寝ているかもしれないと思ったけれど」
「まだ寝られないわ。さっきの余韻が残っているから……それで、なんの用かしら?」
「うん。先ほどは本当にすまなかった。あれしか方法がなかったとはいえ、僕は君に欲情し体を重ねてしまった。君を傷物にしてしまったのではないかと心配している」
「そ、そんなことは気にしなくていいわ。すべては明日以降の戦いのためよ。ま、それもこれも、あなたとの契約を守るために、仕方がなくだけど」
 いつものようにすました顔でそう答えてしまう。ただ、ガレイがなんのためにここに来たのかが読めず、一抹の不安がぬぐえない。
「そう言ってもらえると助かる。でも、こんなことが続くのもよくない。そこでだ」
 ガレイは笑顔で手にしていた木箱を渡した。
「君にはこれをあげたいと思う。今さっき、女好きの騎士団の仲間のひとりに相談して譲ってもらったんだ。もちろん君の名前を出さずに。だから、存分に使ってくれ」

 ガレイが自分の部屋に戻った後、シモーヌが木箱を開けると、中から出てきたのは、ゴム製の男性器を模した「大人のおもちゃ」……いわゆるディルドだった。
 これで、自分でマッサージを行い、魔力回復に努めてほしい、ということらしい。
 そうすれば、僕が君を汚さずにすむから……。

「そ、そうくるかぁ~~~~~~~~」

 泣き笑いの表情を浮かべながら、シモーヌはがっくりと首を傾げた。
 確かに、これがあればシモーヌが口にしたの命題は解決されてしまう。今後はガレイに普通のマッサージはしてもらえても、同じ流れでHはしてもらえそうにない。
 Hができないということは、ガレイを自分にたらし込めない。Hでガレイを虜にするという作戦は、軌道修正を余儀なくされそうだ。
 しかし、それでも……。
「でも、気持ちよかったし、ガレイに初めてをもらえたから、いいか」
 締まらないオチになったものの、悪くない気分のシモーヌだった。

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