【2016年5月2日】

GW特別公開! 過保護な妹はSS

過保護な妹は兄さんが好きすぎて毎日エロエロ甘やかしたいっ!番外編

『歌穂、友人たちと意気投合する』

「お前、ちゃんと自分の時間、あるのか? 友達とおしゃべりしたり出かけたり遊んだりしてるのか?」
守はよく、こんなことを尋ねてくる。
それだけ自分を気にかけてくれてるのだから、歌穂にとっては嬉しい。
ただ、このブラコンをこじらせまくった妹の理想は、
「友達と遊んでる暇があるならもっと僕に奉仕しろ」
と言ってくれることだったりする。
間違っても守がそんなことを命じるわけはないのだが。
(大丈夫ですよ兄さん。こうして一緒にお弁当食べるお友達だっているんですから)
兄が卒業したこの春からは歌穂も教室でクラスメイトとともに弁当を食べている。
可能ならば守のいる大学に行きたいところではあるものの、いくら付属大とはいえそれなりに距離があるため、そこは断腸の思いで諦めていた。
(はあ。兄さんのお世話、したいですよぅ)
「世話するの、大変なんだよねー」
(えっ?)
それまで、ぼんやりとしか聞いていなかった友人たちの会話が不意に意識に割り込んで来た。
「そうそう。毎日ご飯の用意したりさー」
「遊びに連れて行かないとごねるしぃ」
「こっちだって疲れてるときあるってのにね」
「まぁ、結局可愛さに負けちゃうんだけどな」
「わかるわかるぅ」
「私もよくわかります!」
歌穂がむふぅ、と鼻息を荒くしながら会話に加わる。
「お世話してあげたときの表情とかが可愛いんですよねえ」
兄の姿を思い出し、歌穂の顔がほころぶ。
「食事とかはまだいいけど、身体を洗うの大変だよねー。せっかく綺麗にしてあげようってのに、イヤがるんだもん」
「それもよくわかります! なんであんなにイヤがるんですかねぇ。優しく、丁寧に、隅々まで洗ってあげてるのに」
いまだに一緒に入浴することに難色を示す義兄への不満に、歌穂の頬が膨れる。
「うちのは暴れるし、無理矢理洗ったあとなんて不機嫌になるもん」
「歯磨きも大変じゃない?」
「口の中いじられるのがイヤなのはわかるけど、もうちょっと協力して欲しいよなー」
「あ、うちは大丈夫ですね。お風呂と違って、大人しくしてくれますから」
歌穂の言葉に友人たちは羨ましげな顔になる。
(みなさん苦労してるんですね)
彼女たちが言っているのが兄なのか姉なのか弟なのか妹なのかはわからないが、自分と変わらないのだと気づき、嬉しくなる。
「この時期になると、発情の問題もあるしさぁ。みんな、どうしてる?」
「うちは去勢してあるから平気」
「うちのも」
「えっ……!」
「なに、歌穂んところはまだなの?」
「だ、だって……可哀想じゃないですかっ」
兄の性欲の世話も妹がするものだと信じて疑わない歌穂の顔が青くなる。
「あたしも最初はそう思ったけどさ」
「飼い主の義務だしねえ」
「だよな。歌穂んとこも早めに……ん?」
がたがたと震え始めた歌穂を見て、友人たちは顔を見合わせる。
「もしかしてなにか勘違いされてる?」
「そういや歌穂んちって、ペットいたっけ?」
「いや、あのお兄さんの話はよく聞くけど」
まさか、という目がいっせいに歌穂に向けられる。
「去勢……兄さんの……無理……そんな酷いこと……だってそんなことしなくても私が処理してあげられますし……」
そして、ああ、と吐息がシンクロする。
「この子、ついにそこまで」
「そんな予感はしてたけどね。やっぱりか」
「下手なこと言わないように私らでカバーしてやらないと危ないよね、歌穂っち」
うん、と友人たちが真剣な面持ちで頷く。
結果的に友達との結束が深まることになったのだが、ブラコン少女がそれに気づくのには、もう少し時間が必要であった。

初出メロンブックス

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